スマートフォンの価格高騰が続く中、街中では「一括1円」といった広告を見かけることが増えている。一見おトクに見える「1円スマホ」だが、本当にお得な買い方と言えるのだろうか。
楽天モバイルでの購入を例に、隠れたコストや購入時の注意点を含めて、賢いスマートフォン購入術を詳しく解説する。
近年、電気通信事業法のガイドラインにより、スマートフォンの過度な割引が規制されている。現在は端末購入時の割引が最大4万4000円、ミリ波対応端末については最大6万6000円までの割引が可能となっている。
ただし、こうした割引の恩恵を受けられるのは、一般的にMNPで携帯電話会社を変更する場合のみで、同じ会社での機種変更では大幅な割引を受けることはほぼない。
各携帯電話会社では、価格高騰対策として「端末購入サポートプログラム」を導入している。
これは自動車の残価設定ローンと同じ仕組みで、購入する端末の一定期間後の残価を設定し、端末価格から残価を差し引いた金額を分割で支払う形式だ。分割回数は48回または36回で、24回支払い後に端末を返却すれば、残りの支払いが免除される。
例えば、販売価格12万円の端末を48回払いで購入する場合、通常の月々支払いは2500円となる。しかし、2年後の残価が6万円と設定されれば、2年後に端末を返却することで残価分の支払いが免除される。さらに、新規契約やMNPユーザーは4万円の割引を適用できるため、実質的な負担を大幅に軽減できる。
インフォメーション
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「一括1円」の仕組みについては、最新モデルではなく旧モデルや整備済み品を対象とするケースが多い。新規契約やMNPユーザーに対して最大4万円の割引を適用し、在庫調整のタイミングで特定の料金プランへの加入を条件に追加割引を行うことで実現している。ただし、こうした販売方法は常時実施されているわけではなく、特定のタイミングでしか利用できない。
「1円スマホ」には隠れたコストが存在することも重要な点だ。端末購入時に補償サービスへの加入を求められることがあり、月額1000円から1800円程度の費用が発生する。2年間の継続契約となれば、3万円から4万円以上の負担増となる計算だ。
また、特定の料金プランへの加入を条件とするケースも多く、データ通信使い放題プランでは月額7000円から8000円、割引適用後でも5000円前後の負担となる。その点、楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は月額3278円と他社の約半額で、段階制料金により3GBまで1078円、20GBまで2178円と利用量に応じた料金設定となっている。
端末購入サポートプログラムで購入した場合、2年後以降の端末返却時の状態が重要だ。ディスプレイのヒビや本体のキズ、不具合があると査定額が下がる場合がある。損傷があっても返却は可能だが、修理費の請求や査定額の大幅減で負担が増える可能性もある。
楽天モバイルの「買い替え超トクプログラム」を利用するには、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類、楽天カードが必要となる。楽天カードを持っていない場合は申し込みが必要だが、楽天モバイルと同時申し込みも可能で、入会特典や紹介キャンペーンも充実している。
申し込み手続きは、楽天モバイルのWebページ、アプリ、ショップで受け付けている。Webページでの申し込みでは、料金プラン選択後にオプションサービスを選び、製品選択へ進む。選んだ機種に応じて「1～24回目」と「25～48回目」の月々支払い額が表示され、24回分の支払い後に端末を返却することで「25～48回目」の支払いが免除される。
重要なのは、端末の返却は24回目の代金支払い後、25カ月目以降であれば自分の都合のいいタイミングで可能なことだ。必ず2年後に返却する必要はなく、分割払いを継続して同じ端末を使い続けることもできる。
楽天モバイルでは、初回プラン申し込みや他社からのMNPユーザーに対して端末の値引きやポイント還元キャンペーンを実施している。購入機種によって異なるが、数万円分相当の特典を受けられる。付与された楽天ポイントは、楽天ペイ対応店舗や楽天市場での利用のほか、ポイント運用や証券サービスでの投資にも活用できる。
また、「買い替え超トクプログラム」では既存スマートフォンの下取りも可能で、申し込み時に機種名を選べばすぐに下取り価格を確認できる。下取り額は楽天キャッシュで受け取り、楽天ポイントと同様に様々な用途で使用できる。
他社との料金比較では、データ通信20GB使えるプランが割引適用前で7000円から8000円、割引適用後でも5000円前後となる中、楽天モバイルは割引適用前でも月額2178円とリーズナブルだ。端末購入サポートプログラムの端末代金と料金プランを合算すると、割引適用前で約5000円前後、割引適用後でも2500円前後の差があり、楽天モバイルの方が割安に利用できる。
楽天モバイルには「最強家族プログラム」「最強シニアプログラム」「最強青春プログラム」「最強こどもプログラム」といった割引プログラムも用意されており、これらを組み合わせることでさらに割安な利用が可能となる。
目先の「1円」という価格に惑わされず、端末代金、料金プラン、隠れたコスト、ポイント還元などを含めたトータルの価値を見極めることが重要だ。特に楽天モバイルの場合、シンプルな料金体系と充実した特典により、長期的に見て最もコストパフォーマンスの高い選択肢となる可能性が高い。スマートフォンの購入を検討する際は、表面的な価格だけでなく、総合的な利用コストを慎重に比較検討することが賢明だろう。
ガジェットカフェ編集部
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