MediaTekが次世代フラッグシップ向けプロセッサ「Dimensity 9400」を発表しました。全コアを高性能コアで構成する大胆な設計と、最新のAI機能の搭載で、スマートフォン市場に新しい風を吹き込みそうです。
パワフルな「オールビッグコア」設計
今回のDimensity 9400で特に注目なのが、第2世代となる「オールビッグコア」設計です。最新のArm v9.2アーキテクチャをベースに、超高性能なCortex-X925コア1基、Cortex-X4コア3基、そしてCortex-A720コア4基という贅沢な構成を採用しています。
前モデルのDimensity 9300と比べると、単コアで35%、マルチコアで28%もの性能向上を実現。さらに、Samsung共同開発の超高速LPDDR5Xメモリ(10.7Gbps)対応により、アプリの起動やゲームのロード時間が劇的に短縮されるとのことです。
ゲーマー必見の進化ポイント
ゲーミング性能も見逃せません。12コアのImmortalis G925 GPUを搭載し、従来比で最大41%の性能向上を達成。特に注目なのが、PC並みのレイトレーシング機能を実現した点です。
新たに採用された「Opacity Micromaps (OMM)」技術により、植物や髪の毛などの表現がより繊細に。「Arena Breakout」などの対応ゲームでは、まるでPC版のような美しいグラフィックスが楽しめそうです。
AI機能も大幅パワーアップ
第8世代となるMediaTek 890 NPUを搭載し、オンデバイスでのAI処理能力が飛躍的に向上。Google最新のAIモデル「Gemini Nano」にも対応し、クラウドに頼ることなく高度なAI機能を利用できます。
カメラ機能も強化
カメラ処理を担当するImagiq 1090 ISPも進化を遂げました。特筆すべきは、ズーム撮影時のHDR対応。さらに生成AI技術を活用した「Gen-AI Super Zoom」により、100倍ズームでも驚くほど鮮明な写真が撮影できるとのこと。
個人的に興味深いのは、4K60fps動画撮影時の電力効率が14%も改善された点です。長時間の動画撮影でもバッテリー切れの心配が少なくなりそうですね。
5GとWi-Fi 7で快適な通信も
通信面では、最新の5G規格に加えて、Wi-Fi 7にも対応。特にMediaTek Range 3.0技術により、Wi-Fiの通信範囲が30メートル拡大。家の中でのネット接続がより安定するでしょう。
面白い機能として、携帯電話サービスがない場所でも、最大1.5km離れたスマートフォン同士で直接通信が可能になったとのこと。アウトドアでの活用が期待できそうです。
市場投入は間近?
このDimensity 9400搭載スマートフォンは、来年早々にも登場する可能性が高そうです。特に中国メーカーが積極的に採用すると予想されますが、日本市場への投入も期待したいところ。
高性能と省電力を両立したこのチップは、2024年のスマートフォン市場に大きなインパクトを与えそうです。続報が待ち遠しいですね。
ガジェットカフェ編集部
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