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HHKBの最高峰モデル「HHKB Studio」レビュー 静電容量無接点方式からメカニカルスイッチへ進化した打鍵感は健在だ - ガジェットカフェ

HHKBの最新モデル「HHKB Studio」は、従来の静電容量無接点方式から静音メカニカルスイッチへと進化を遂げた。その上質な打鍵感は健在で、高い静音性と打鍵感を両立。さらに、ポインティングスティックやマウスキー、ジェスチャーパッドを搭載し、キーボード単体ですべての操作が完結する利便性の高さが魅力だ。カスタマイズ性も非常に高く、使い込むほどに作業効率が向上する。価格は高めだが、その性能と使い勝手を考慮すれば納得のいく製品だ。キーボードにこだわりを持つ人、特にプログラマーやライターなど文字入力の多い職種の人には、ぜひ一度試してみる価値がある革新的なキーボードである。

はじめに

筆者は長年のキーボードマニアであり、これまでに数多くのキーボードを使用してきた。メカニカルキーボードからパンタグラフ、静電容量無接点式まで、様々なタイプのキーボードを実際に使い、その特性を体感してきた。

現在の愛用機は、PFUのHHKB Hybrid Type-Sだ。静電容量無接点方式の柔らかく上質な打鍵感に魅了され、すでに3年以上にわたって使い続けている。キーボードに求めるものは人それぞれだが、筆者にとってHHKBは最高のパートナーだと言える。

そんな中、HHKBシリーズの最新モデルとして登場したのが「HHKB Studio」である。従来のHHKBの特徴を受け継ぎつつ、ポインティングスティックやジェスチャーパッドを搭載することで、キーボード単体ですべての操作が完結するオールインワンを実現した革新的な製品だ。

HHKBファンの間でも大きな注目を集めるHHKB Studioだが、果たしてその実力はいかほどのものなのか。今回は今頃になって(2024年4月)購入に踏み切ったため実機を用いて、レビューをお届けしたい。

伝統と革新が融合した最新のHHKBが、筆者の目にどう映ったのか。ぜひ最後までお付き合いいただきたい。

デザイン・構造

HHKB Studioは、HHKBシリーズの伝統であるコンパクトなサイズ感と合理的なキー配列を忠実に継承している。

相変わらず手のひらサイズのボディは、デスク上のスペースを取らず、持ち運びにも便利だ。

旧モデルと比べると重さはズッシリするような気がする。

旧モデルと比較して特筆すべきは、電池部分のはみ出しがなくなり、よりすっきりとしたシルエットになったこと。

上部が直線的なデザインになったことで、洗練された印象を与える。また、ボディ全体がマットな質感で仕上げられており、高級感が漂う。

HHKB Studioは、人間工学に基づいた「シリンドリカル・ステップ・スカルプチャー」構造を採用している。

これは、上記の写真を見て貰えばわかるだろうがキーの列ごとに異なる角度をつけることで自然な凹凸を作り出し、指の動きに合わせてキートップの高さを変えることで、スムーズなタイピングを可能にする設計だ。

さらに、キートップの中央部分には窪みが設けられており、指の腹がフィットする形状になっている。この独自の構造が、快適で疲れにくいタイピングを実現している。

また、底面には2段階の傾斜調整が可能なスタンドが装備されている。これにより、ユーザーの好みに合わせて、最適なタイピング角度を設定できる。

全体として、HHKB Studioは従来モデルの良さを継承しつつ、細部にわたって洗練されたデザインに仕上げられている。その完成度の高さは、長年HHKBを使ってきたユーザーをも唸らせる出来栄えだ。

キースイッチ・打鍵感

HHKB Studioの大きな変更点は、従来の静電容量無接点方式から、HHKBオリジナルの静音メカニカルスイッチへの移行だ。HHKBといえば、静電容量無接点方式の柔らかくリニアな打鍵感が特徴だったが、今回のモデルではあえてメカニカルスイッチを採用している。

しかし、そのスイッチは一般的なメカニカルスイッチとは一線を画す、HHKBオリジナルの静音メカニカルスイッチだ。HHKBの開発チームは、メカニカルスイッチの利点を取り入れつつ、静電容量無接点方式の長所である滑らかな打鍵感を再現することに成功した。

実際にタイピングしてみると、そのキータッチは従来のHHKBと遜色ないどころか、より洗練された印象すら受ける。ストロークはやや浅めに設定されているが、押し心地のよさは健在だ。タクタイルな感触はほとんどなく、指を乗せた瞬間からスムーズに沈み込んでいく。

また、打鍵音も非常に静かだ。前モデルのType-Sより静かかもしていないと感じてしまう

オフィスなどの共有スペースで使用しても、周囲に迷惑をかける心配はない。キーを底まで押し込んだ際の衝撃も、従来モデル同様にしっかりと吸収してくれる。

HHKBファンの中には、静電容量無接点方式の打鍵感に強いこだわりを持つ人も多い。しかし、HHKB Studioの静音メカニカルスイッチは、そうした人々をも納得させる出来栄えだ。変更された部分はあるが、HHKBらしさは失われていない。むしろ、進化を遂げたと言っても過言ではないだろう。

機能・カスタマイズ性

HHKB Studioの最大の特徴は、ポインティングスティック、マウスキー、ジェスチャーパッドを搭載し、キーボード単体ですべての操作が可能になったことだ。

キーボードの中央部に配置されたポインティングスティックは、指先の微妙な力加減でカーソル移動が行える。ThinkPadユーザーにはおなじみの操作感で、慣れれば素早くカーソルを動かせる。キーボード下部のマウスキーは、左右のクリックとスクロールボタンを兼ねており、マウスを使わずともクリック操作が可能だ。

またサイドにはジェスチャーパッドが備わっており、指のスライドでスクロールやウィンドウの切り替えといった操作ができる。キーボードから手を離さずに、直感的な操作が行えるのは画期的だ。

HHKB Studioでは、専用の「キーマップ変更ツール」を使って、キー配列を自由にカスタマイズできる。例えば、エンターキーやバックスペースキーの位置を入れ替えたり、Fnキーと組み合わせたショートカットキーを設定したりと、自分の使い勝手に合わせて最適化が可能だ。

また、本体裏のDIPスイッチを操作することで、マウスキーやジェスチャーパッドの無効化、BS/Deleteキーの切り替えといった設定変更も行える。ユーザーの好みに合わせて、きめ細やかな調整ができるのは嬉しい。

ホットスワップ対応で、キースイッチを取り外して互換性のあるキートップに交換することもできる。自分だけのオリジナルのキーボードを作ることも夢ではない。

接続方式は、Bluetooth(最大4台)とUSB Type-Cの2種類に対応。ワイヤレスでの使用はもちろん、有線接続時の安定性も確保されている。

HHKB Studioは、カスタマイズ性の高さが売りの一つだ。ハードウェア、ソフトウェアの両面から、ユーザーの好みに合わせた設定が可能。まさに、自分だけのHHKBを作り上げられる一台だと言えるだろう。

使用感・適した用途

HHKB Studioの使用感で真っ先に感じるのは、その抜群の打鍵感だ。静音メカニカルスイッチの採用により、滑らかでスムーズなキータッチが実現されている。キーを押し込む力も非常に軽く、長時間のタイピングでも指の疲労が溜まりにくい。

また、優れた静音性も魅力の一つだ。打鍵音は非常に小さく、深夜や職場など、周囲に気を遣う環境でも安心して使用できる。集中力を維持しながら、ストレスなくタイピングに没頭できるのは大きなメリットだ。

HHKB Studioは、ノートPCのキーボード上に置いて使用することも可能だ。コンパクトなサイズ感で、持ち運びにも便利。出張や外出先でも、いつものタイピング環境を再現できる。ポインティングスティックを使えば、ノートPCのトラックパッドを使う必要もない。

さらに、HHKB Studioは、各種カスタマイズ機能を活用することで、作業効率を大幅に向上させることができる。キーマップの変更やマクロの設定により、よく使うショートカットをキーに割り当てられる。ジェスチャーパッドを使えば、マウスを使わずに素早くウィンドウの切り替えやスクロールが行える。これらの機能を駆使することで、作業のスピードアップが期待できる。

以上の特性から、HHKB Studioは特にプログラマーやライター、編集者など、文字入力を多く行う職種の人におすすめだ。コードを書く際のタイピングが快適になるだけでなく、エディターやIDEのショートカットキーをカスタマイズすることで、作業の効率化が図れる。

また、長時間の執筆や編集作業でも、疲れにくく集中力を維持できるので、クリエイティブな仕事に最適だ。快適な打鍵感とカスタマイズ性の高さは、仕事の質を向上させてくれるだろう。

HHKB Studioは、優れた基本性能と豊富な機能を兼ね備えた、プロフェッショナルのためのキーボードだ。使いこなすことで、作業効率とパフォーマンスの向上が期待できる一台である。

総評

HHKB Studioは、HHKBシリーズの新たな到達点と言える製品だ。従来の静電容量無接点方式から、オリジナルの静音メカニカルスイッチに変更されたことで、一部のユーザーからは懸念の声もあったが、杞憂に終わった。HHKBならではの上質な打鍵感は健在で、むしろ静音性と打鍵感の両立という新たな領域を開拓したと言えるだろう。

また、ポインティングスティックやマウスキー、ジェスチャーパッドの搭載により、キーボード単体ですべての操作が完結するようになったのは大きな進化だ。ノートPCのキーボードの上に置いて使用することも可能で、モバイル環境での利便性が格段に向上した。

加えて、キーマップの変更やマクロの設定、キートップの交換など、カスタマイズ性の高さも魅力の一つだ。ユーザーの好みや用途に合わせて、自分だけのキーボードを作り上げられる。使い込むほどに、作業効率が向上していくのを実感できるだろう。

価格は4万円を超えるハイエンドモデルだが、その性能と使い勝手を考慮すれば、納得のいく製品だと言える。長時間のタイピングを行うプロフェッショナルにとって、HHKB Studioは最高のパートナーになってくれるはずだ。

HHKBシリーズのファンはもちろん、まだHHKBを使ったことがない人にもぜひ試してみてほしい。従来のHHKBの良さを受け継ぎつつ、新たな可能性を開拓したHHKB Studio。その革新的な体験は、きっと多くのユーザーを魅了するに違いない。

まとめ

HHKB Studioは、HHKBシリーズの集大成とも言えるオールインワンキーボードだ。これまでのHHKBの良さを受け継ぎつつ、ポインティングデバイスやカスタマイズ性を加えることで、キーボードの可能性を大きく広げた。

最高クラスの打鍵感は、長時間のタイピングでも疲れを感じさせない。静音メカニカルスイッチの採用により、静かな環境でも安心して使用できる。また、キーマップやマクロの設定、キートップの交換など、自分好みにカスタマイズできる点も大きな魅力だ。

HHKB独自のキー配列やポインティングデバイスの操作には、慣れるまでに少し時間がかかるかもしれない。しかし、一度使いこなせば、もう手放せない一台になるはずだ。作業効率の向上や、快適なタイピング体験は、仕事の質を大きく変えてくれるだろう。

キーボードにこだわりを持つ人、特にプログラマーやライター、編集者など文字入力の多い職種の人には、ぜひ一度HHKB Studioを試してみてほしい。その革新的な体験は、きっと新たな発見と感動を与えてくれるはずだ。

高価な製品ではあるが、その価値は十分にある。HHKB Studioは、キーボードの未来を切り拓く一台だと言っても過言ではない。ぜひ、その革新的な体験を自分の手で確かめてみてほしい。

ガジェットカフェ編集部

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