楽天モバイルが認定中古iPhone販売を開始しました。バッテリー80%以上保証、90日間の無償保証付きという条件は、中古市場では標準的なレベルです。特別優れているわけではありませんが、キャリアが直接手がけるという安心感はあります。
取り扱い機種がiPhone 12/13シリーズに限定されているのは妥当な選択です。これらの機種は性能的にまだ十分現役で使えますし、iOS 26も問題なく動作します。iPhone SE(第2世代)も含まれているのは、コンパクト機種を求める人には嬉しいでしょう。
品質グレードをA+とAの2段階にしたのはシンプルで分かりやすいです。ただ、「美品」と「良品」の境界線がどこにあるのか、実際の商品を見てみないと判断が難しいところです。オンライン販売だけに、写真での確認が重要になります。
90日保証は短いと感じる人もいるでしょうが、中古市場では一般的な期間です。初期不良を発見するには十分ですが、長期利用での安心感を求める人には物足りないかもしれません。AppleCare+への加入可否も気になるところです。
価格については現時点で未公開ですが、これが最重要ポイントです。既存の中古販売業者(イオシス、じゃんぱら等)や、メルカリなどのCtoCサービスと比較して、どれだけ競争力のある価格設定ができるか。楽天ポイント還元を含めた実質価格で勝負することになるでしょう。
楽天の強みは、自社回線とのセット販売ができることです。中古iPhoneと楽天モバイル回線のセットで割引やポイント還元を提供すれば、他社との差別化になります。ただし、楽天モバイルの電波状況に不安がある地域では、この強みも活かしきれません。
環境配慮をアピールしていますが、正直なところ、これは後付けの理由でしょう。主目的は新規顧客獲得と収益源の多様化です。ただ、結果的にリユース促進になるなら、それは良いことです。
購入を検討する際の注意点として、バッテリー80%保証は「最低ライン」だということを理解すべきです。新品の80%ということは、一日の使用で充電が必要になる可能性が高いです。モバイルバッテリーを持ち歩く覚悟が必要かもしれません。
また、中古iPhoneの場合、前オーナーの使い方によって個体差が大きいです。同じグレードでも、実際の状態はバラつきがあります。できれば実物を見て購入したいところですが、オンライン専売では難しいジレンマがあります。
競合他社との比較では、ドコモの「docomo Certified」やauの「au Certified」と同じ土俵での勝負になります。これらも同様のサービスを提供しており、楽天がどう差別化するかが鍵です。
個人的には、中古iPhone購入なら、まずApple公式の整備済製品を検討することをお勧めします。価格は高めですが、新品同様の品質と1年保証は大きな魅力です。それが予算オーバーなら、今回の楽天を含む各社の認定中古を比較検討すべきでしょう。
結論として、楽天の認定中古サービスは「選択肢が増えた」という意味で歓迎すべきですが、革新的なサービスではありません。価格次第では検討の価値がありますが、現時点では様子見が賢明です。
特に初めての中古iPhone購入を考えている人は、保証期間の短さやバッテリー状態など、リスクをしっかり理解した上で判断することが重要です。「安いから」という理由だけで飛びつくと、後悔する可能性があります。