ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた情報によると、アップルが今秋発売予定の新型iPhoneシリーズの値上げを検討している模様。関税や為替の影響が背景にあるとみられ、発表前から株価は7%上昇。
「また値上げか…」
多くのiPhoneユーザーがそう感じるニュースが飛び込んできた。米有力紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が12日、関係者の話として、アップルが今秋発売予定の新型iPhoneシリーズの値上げを検討していると報じた。
明らかになっている情報
WSJの報道によると、アップルは秋に発売が予想される「iPhone 17」シリーズ(仮称)で価格改定を行う可能性が高いという。記事では具体的な値上げ幅については言及されていないが、市場関係者はこのニュースを好感し、報道直後にアップルの株価は寄り前取引で7%上昇した。
アップル側からの公式コメントは現時点で得られていない。
値上げの背景には何があるのか
値上げの背景には、複数の要因が絡んでいるとみられる。
1. 米国の関税政策
WSJは「アップル製品の多くを中国で組み立てているが、米国の関税が値上げの要因と思われる事態は避けたい意向だ」と伝えている。現在の米中貿易摩擦の状況下で、中国製品に対する関税率の引き上げがアップルの製造コストに影響を与えている可能性がある。
2. インフレと材料費の上昇
世界的なインフレと半導体をはじめとする電子部品の価格上昇も、値上げの背景にあるとみられる。特に高度なAI機能を搭載する次世代iPhoneでは、より高性能なチップや大容量メモリが必要となり、コスト増につながっている可能性がある。
3. 円安の影響(日本市場)
日本市場においては、長引く円安も値上げ要因になると予想される。現在の為替レートが続けば、日本での値上げ幅は他の市場よりも大きくなる可能性もある。
過去の値上げ事例
アップルは過去にも数回、iPhoneの価格改定を行ってきた。特に日本市場では2024年に発売された「iPhone 16」シリーズが前年モデルから約1万円の値上げとなったばかりだ。
- iPhone 15(128GB):124,800円
- iPhone 16(128GB):134,800円
また、2023年には「iPhone 15 Pro」シリーズも値上げされ、Pro Maxモデルは20万円を超える価格設定となっていた。
新型iPhoneはどうなる?予想される機能と価格
この秋に発売が予想される「iPhone 17」シリーズについては、以下のような機能強化が噂されている。
- より高度なAI機能「Apple Intelligence+」の搭載
- カメラシステムの大幅アップグレード
- A19チップの採用による性能向上
- より大容量のバッテリー
こうした機能強化と値上げが実現すれば、特にハイエンドモデルの「iPhone 17 Pro Max」は日本市場で22〜23万円に達する可能性もある。
市場と消費者への影響
アップルの株価が上昇したことからも分かるように、投資家はこの値上げを好感している。しかし、消費者側の反応は複雑だ。
すでに高額となっているiPhoneがさらに値上がりすれば、買い替えサイクルの長期化や、中古市場・下位モデルへの需要シフトが進む可能性がある。特に日本市場では、キャリア各社の割引プログラムの動向も注目される。
競合他社の動向
サムスン電子やシャオミなどの競合他社も、同様のコスト増に直面している。しかし、これらの企業がアップルに追随して値上げに踏み切るかは不透明だ。
むしろ、アップルの値上げを「価格差」として訴求するマーケティングを展開する可能性もある。特に中国市場では、地元メーカーのファーウェイやシャオミが低価格戦略でシェアを拡大している状況だ。
専門家の見解
テクノロジーアナリストたちは、このタイミングでの値上げについて様々な見解を示している。
「コスト増を考えれば値上げは避けられないが、消費者の買い替えサイクルがさらに長期化するリスクもある」(米調査会社)
「日本市場では特に円安の影響が大きく、価格弾力性の高い若年層ユーザーの流出が懸念される」(国内アナリスト)
まとめ:正式発表までは流動的
今回の報道はあくまで「検討中」という段階の情報であり、実際の値上げ幅や対象モデルなどは、9月頃と予想される正式発表まで流動的だ。
過去の例を見ても、噂段階から実際の発表までに計画が変更されることも少なくない。特に各国の為替レートや、競合他社の動向などによって、最終的な価格戦略は調整される可能性が高い。
いずれにしても、今秋の新型iPhone発表は例年以上に価格面での注目が集まりそうだ。
ガジェットカフェ編集部