コアスペックはどう変わった？ M1→M3で性能大幅向上
- マルチスレッドCPU性能：最大35％向上
- グラフィックス性能：最大40％向上
- 機械学習性能（Neural Engine）：最大60％向上
という大幅な性能アップを実現している。 特に注目すべきは、iPad Airシリーズとして初めて「Dynamic Caching（ダイナミックキャッシング）」「ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディング」「レイトレーシング」といった先進的なグラフィック技術に対応した点だ。これにより、M1搭載モデルと比べてゲームなどの3D描画が最大4倍速くなったという。 一方で、メモリ容量は8GBで据え置きとなっている。Appleのメモリ管理は効率的だが、重たい作業を頻繁に行うユーザーには若干物足りなさを感じるかもしれない。
サイズ展開とデザイン：見た目の変化はほぼなし
カメラ・ディスプレイ・接続性：大きな変化なし
カメラ性能については、フロントカメラ、バックカメラともに12MPで前モデルから変更なし。フロントカメラのセンターフレーム機能も引き続き搭載されている。 本体を横向きにした際に上部にカメラが来るデザインも前モデルと共通で、オンライン会議などでの使い勝手は良好だ。バックカメラはスマートHDR写真や4Kビデオ撮影に対応している。 ディスプレイも解像度を含め、前モデルからの変更点はない。充電ポートはUSB-C、Wi-Fi 6Eに対応、SIMタイプはeSIMのみ、Touch IDに対応と、ハードウェア面では前モデルをほぼ踏襲している。 なお、最近のiPhone 16eに搭載されたApple独自開発のモデム「Apple C1」は、今回のiPad Airには搭載されていない点も注目ポイントだ。
Apple Intelligence対応：AIが使いやすさを大きく変える
今回のアップデートで、実は最も重要なポイントかもしれないのが、Apple Intelligenceへの最適化だ。2025年4月から日本語対応が始まるApple Intelligenceは、オンデバイスでの処理が多いため、M3チップの性能向上が直接ユーザー体験に影響する。 具体的には以下のような機能が快適に使えるようになる：
- メモアプリの画像マジックワンド機能：メモした内容を補足する関連画像を生成
- 作文ツールとSiriへのChatGPT統合：専用アカウント不要で無料利用可能
- 写真アプリのクリーンアップツール：写真内の不要な要素を簡単に削除
- Image Playground機能：ライブラリ内の素材から新しい画像を生成
特に、Apple Pencil Proを使った手書き入力との組み合わせは、iPad独自の利用体験となる。Apple Intelligenceに対応するApple製品の中でも、Apple Pencilでの手書き入力に対応しているのはiPadシリーズのみだからだ。
新型Magic Keyboard：使い勝手が大幅向上
iPad Air(M3)の発表と同時に、専用の新しいMagic Keyboardも登場した。大きな進化点は以下の通り
- 内蔵トラックパッドの精度向上
- 14のファンクションキーを新たに搭載（画面輝度調節や音量調節などが可能に）
- マグネット接続でBluetoothやWi-Fi接続不要
- アルミニウム製ヒンジ部分にUSB-Cコネクタ搭載（iPad本体充電用）
価格は11インチモデル用が46,800円、13インチモデル用が49,800円となっている。
価格設定：前モデルから据え置き
新型iPad Airの価格は、最安構成となる11インチ128GBのWi-Fiモデルが98,800円からと、前モデルと同じ価格設定だ。ストレージは128GB、256GB、512GB、1TBの4サイズから選択可能。 一世代飛ばしでの大幅な性能向上にもかかわらず価格据え置きというのは、コストパフォーマンスの面では評価できる点だろう。
実際のところ買いなの？誰にオススメ？
買い替えを検討すべきユーザー
- M1搭載の前々モデルユーザー：性能差が大きいため、体感できる違いがある
- クリエイティブワークをする人：グラフィック性能の向上が作業効率に直結
- ゲームを楽しみたい人：レイトレーシングなど新技術による描画品質の向上が魅力
- AI機能を活用したい人：Apple Intelligence対応で新しい使い方が広がる
様子見してもいいユーザー
- M2搭載モデルの所有者：性能差が比較的小さく、すぐの買い替え必要性は低い
- 基本的なタスクのみに使用している人：Webブラウジングやメールチェック程度なら前モデルでも十分
- バッテリー寿命などに問題がない人：外観デザインに変化がないため、見た目の新鮮さはない
M3チップとAI機能で一気に進化した新型iPad Air
新型iPad Air(M3)は、見た目こそ前モデルとほぼ同じだが、内部性能とAI機能対応という点で大きく進化した一台だ。 特に注目すべきは、単なる処理性能の向上だけでなく、Apple Intelligenceという新時代のAI機能をフルに活用できる基盤が整ったことにある。4月からの日本語対応開始と合わせて考えると、新しいiPadの使い方を模索したいユーザーにとっては、非常に魅力的なアップデートと言える。 価格も据え置きという点を考慮すると、M1モデルからの乗り換えや、初めてiPadを購入する人にとっては、「買い」と言えるだろう。3月12日の発売に向けて、早めの予約を検討してみてはいかがだろうか。 【執筆：ガジェットカフェ編集部】
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