月額1円でiPhone 17が使える。この衝撃的な見出しに、多くの人が二度見したはずです。ソフトバンクが発表した価格設定、確かに間違いではありません。でも、そこには当然カラクリがあります。
まず基本を整理しましょう。iPhone 17の256GBモデル、定価は15万9840円です。これを「新トクするサポート+(特典B)」という仕組みを使うと、最初の12ヶ月は月額1円、13〜24ヶ月目は月額4,439円。オンラインショップ割を適用すると、24回分の支払い総額がなんと24円になります。
ただし、ここに特典利用料22,000円が加わるので、実際の支払い総額は22,024円。これを24ヶ月で割ると月額約918円です。確かに安い。でも「月額1円」というのは最初の12ヶ月だけの話で、全期間の平均ではないんです。
しかもこの価格は、新規契約かMNP(他社からの乗り換え)、または番号移行の場合のみ。機種変更だと75,280円になります。同じ端末なのに、契約方法で5万円以上の差があるわけです。
さらに重要なのは、25ヶ月目以降に端末を返却することが前提だということ。つまり、これは購入ではなくレンタルに近い仕組みです。2年後には手放さなければならない。自分のものにはならないんです。
iPhone 17 ProやPro Maxになると、さすがに月額1円とはいきません。iPhone 17 Pro(256GB)は新規・MNPでも総額95,200円、月額約3,967円。Pro Max(2TB)になると192,880円、月額約8,000円超えです。それでも定価の半額以下ですから、お得感はあります。
iPhone Airも興味深い価格設定です。256GBモデルで月額約3,607円。薄さと軽さを重視する人には魅力的かもしれませんが、ベーシックなiPhone 17と比べると割高感は否めません。
ソフトバンクの狙いは明確です。インパクトのある「月額1円」で注目を集め、MNPユーザーを大量獲得する。そして2年後の返却時に、また新しい端末への買い替えを促す。このサイクルを回し続けることで、顧客を囲い込むわけです。
他社と比較すると、ドコモの「いつでもカエドキプログラム(+)」でiPhone 17(256GB)のMNP実質負担額が31,966円。ソフトバンクの22,024円の方が約1万円安い計算です。この差は大きいですね。
ただ、忘れてはいけないのが通信料金です。ソフトバンクの通信プランが自分に合っているか、エリアの電波状況はどうか。端末だけで決めるのは危険です。月々の通信料金も含めたトータルコストで比較する必要があります。
返却時の注意点もあります。画面が割れていたり、水没させたりしていると、追加料金が発生する可能性があります。2年間、かなり気を使って使わなければなりません。ケースや保護フィルムは必須でしょう。
正直なところ、この仕組みが合う人と合わない人がはっきり分かれると思います。最新のiPhoneを常に使いたい、2年ごとに機種変更するのが当たり前、端末は道具だから所有にこだわらない。こういう人には最高の選択肢です。
逆に、同じ端末を3年、4年と使い続けたい、自分のものとして所有したい、端末をラフに扱いがち、こういう人には向きません。月額1円という言葉に飛びつく前に、自分がどちらのタイプか考えてみてください。
個人的には、スマートフォンの「所有」から「利用」への価値観の変化を感じます。車もサブスク、音楽も映画もサブスク。そしてスマートフォンも実質的にサブスクになりつつある。これが時代の流れなのかもしれません。
結論として、ソフトバンクの月額1円iPhoneは確かに実現可能です。ただし、それは特定の条件下での話。オンラインショップ割、MNP契約、端末返却、これら全ての条件を満たして初めて成立する価格です。
魅力的な提案であることは間違いありません。でも、飛びつく前に条件をしっかり確認し、自分の使い方に合っているか冷静に判断することが大切です。「月額1円」という言葉のインパクトに惑わされず、賢い選択をしてください。