Apple Vision Pro 2が2025年内に発売されるという噂、正直なところ早すぎる気がします。初代が発売されてまだ1年半程度で、しかも普及率を考えると、そこまで急いで第2世代を出す必要があるのか疑問です。
M4かM5かという議論がありますが、実際のところユーザーにとってはそこまで重要ではないでしょう。初代のM2から見れば、どちらでも大幅な性能向上が見込めます。むしろ問題は、その性能向上を活かすコンテンツやアプリケーションが充実するかどうかです。
Neural Engineのコア数増加は理にかなっています。空間コンピューティングではリアルタイムのAI処理が不可欠ですから、この強化は実用性の向上に直結します。ただし、16コアから何コアに増やすのか、それによってどれだけ体験が向上するのかは未知数です。
新ストラップによる装着感改善は最重要課題でしょう。620gという重量は、長時間使用には明らかに重すぎます。Meta Quest 3が約515gであることを考えると、Appleはここで大きく遅れを取っています。ストラップの改良だけでなく、本体の軽量化も必須です。
価格戦略も大きな課題です。初代の3,499ドル(日本では約60万円)という価格は、一般消費者には手が届きません。性能を上げながら価格を下げるのは困難ですが、Meta Quest 3が約7万円で販売されている中、Appleがどこまで価格を下げられるかが普及の鍵を握ります。
競合との比較で見ると、Vision Proの最大の強みはAppleエコシステムとの統合です。iPhoneやMacとのシームレスな連携は、他社には真似できない価値です。ただし、その価値が50万円以上の価格差を正当化できるかは別問題です。
2026年のタッチパネルMacBookの話は、正直なところ疑問符がつきます。スティーブ・ジョブズが「垂直な画面をタッチするのは人間工学的に問題がある」と言っていたことを、Appleが忘れたとは思えません。iPadとの差別化も曖昧になりますし、macOSをタッチ対応に改修するのも大仕事です。
Vision Pro 2の年内発売について、私は懐疑的です。Appleは通常、新カテゴリーの製品では慎重に時間をかけて改良を重ねます。初代の売れ行きが期待を下回っているという報道もある中、急いで第2世代を出す理由が見当たりません。
むしろAppleがやるべきことは、Vision Proのコンテンツエコシステムの充実と、価格の引き下げです。ハードウェアの性能向上だけでは、この製品カテゴリーは成功しません。キラーアプリケーションの登場と、手の届く価格設定が必要です。
個人的な予想としては、2025年内にマイナーアップデート版(ストラップ改良程度)が出る可能性はありますが、M5チップ搭載の本格的な第2世代は2026年以降になると思います。Appleは焦らず、じっくりと市場を育てる戦略を取るべきでしょう。
結論として、Vision Pro 2の噂は技術的には興味深いですが、市場の現実を考えると時期尚早感があります。Appleが本当に必要としているのは、新モデルよりも、現行モデルの価格引き下げとコンテンツの充実です。空間コンピューティングの未来は明るいかもしれませんが、そこに到達するにはまだ時間がかかりそうです。
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